Claude Code や Codex を使っていると、AI からこんな指示を受けることがあります。

cd my-app
pnpm install
pnpm dev

または、AI がこう言ってくることもあります。

このコマンドを実行してよいですか?

rm -rf node_modules

バイブコーディングに興味が出てきた人にとって、ここで一気に不安になるのが「ターミナル」や「Bash コマンド」です。黒い画面に英語っぽい文字が並んでいると、なんだか怖く見えます。

でも、Bash コマンドは、ざっくり言えば パソコンに文字で命令する方法 です。この記事では、中学生や非エンジニアの人でもわかるように、Claude Code や Codex などの AI 開発ツールを使う前に知っておきたい Bash コマンドの基本を説明します。


3分でわかるまとめ

  • Bash は、パソコンに文字で命令するための仕組み
  • ターミナルは、その命令を打ち込む画面
  • エンジニアがターミナルを使うのは、速い・正確・自動化しやすいから
  • Claude Code や Codex は、ターミナルコマンドを提案・実行することがある
  • だから、最低限「何をするコマンドか」は読めた方が安全
  • pwd は「今いる場所を見る」
  • ls は「中身を見る」
  • cd は「フォルダを移動する」
  • mkdir は「フォルダを作る」
  • touch は「ファイルを作る」
  • cat は「ファイルの中身を見る」
  • rm は「削除する」なので特に注意
  • alias は「よく使う長いコマンドに短いあだ名を付ける」仕組み

この記事の対象者

この記事は、以下のような人向けです。

  • 中学生でもわかるくらい簡単に Bash コマンドを知りたい
  • エンジニアではないが、Claude Code や Codex を使ってみたい
  • バイブコーディングに興味がある
  • AI に言われたコマンドを何となく実行していて不安
  • pnpm devnpm install の意味がよくわからない
  • 黒い画面、ターミナル、Bash に苦手意識がある
  • エンジニアではないが、AI で Web アプリや業務ツールを作ってみたい

逆に、すでに Linux やシェルスクリプトに慣れている人には、かなり基本的な内容です。


先によく出てくる専門用語

最初に、この記事でよく出てくる言葉をざっくり整理します。

用語 ざっくり意味
ターミナル コマンドを打つ画面
コマンド パソコンへの命令文
Bash コマンドを解釈して実行する仕組みの一種
シェル 人間の命令をパソコンに伝える窓口
ディレクトリ フォルダのこと
パス ファイルやフォルダの住所
オプション コマンドに追加する細かい指示
カレントディレクトリ 今いるフォルダ
標準出力 コマンドの結果が画面に表示されること
エイリアス 長いコマンドに付ける短いあだ名

先によく出る言葉のインフォグラフィック:ターミナル/コマンド/Bash/シェル/ディレクトリ/パスの6つを図解

全部を最初から完璧に覚える必要はありません。この記事を読みながら、「ああ、そういう意味だったのか」と少しずつ慣れていけば十分です。


なぜエンジニアはターミナルで操作するのか

非エンジニアから見ると、ターミナルで操作している人は少し不思議に見えるかもしれません。「マウスでクリックすればいいのに、なぜわざわざ黒い画面に文字を打つの?」と思うかもしれません。

理由はいくつかあります。

なぜターミナルを使うのか:速い/正確/自動化しやすい、の3つの理由を比較した図

1. 速いから

たとえば、フォルダを作って、その中に移動して、ファイルを作るとします。

マウス操作だと、

  1. 右クリック
  2. 新規フォルダ
  3. 名前を入力
  4. ダブルクリックで開く
  5. 新規ファイルを作る

という流れになります。

ターミナルなら、こうです。

mkdir my-app
cd my-app
touch index.html

慣れると、こちらの方が速いです。

2. 正確に再現できるから

コマンドは文字として残せます。たとえば、誰かに作業手順を伝えるとき、

画面左のボタンを押して、次に右上のメニューを開いて……

と説明するより、

pnpm install
pnpm dev

と書いた方が正確です。

Claude Code や Codex も、この「文字で手順を表せる」性質と相性が良いです。AI にとっても、マウス操作よりコマンドの方が扱いやすいのです。

3. 自動化しやすいから

同じ作業を何度もやるなら、コマンドにしておくと楽です。たとえば、

pnpm lint
pnpm test
pnpm build

という流れを毎回実行する場合、これをスクリプトにまとめることもできます。エンジニアは、同じ作業を何度も手でやるより、自動化できる部分はコマンドにします。

4. サーバーや開発ツールはコマンド前提が多いから

Web アプリ開発では、以下のような操作がよく出てきます。

npm install
pnpm dev
git status
git commit
wrangler deploy

これらは、もともとターミナルで使うことを前提にしたツールです。Claude Code や Codex も、内部的にはこうしたコマンドを使って、

  • ライブラリを入れる
  • 開発サーバーを起動する
  • テストを実行する
  • エラーを確認する
  • Git の状態を見る

といった作業を行います。だから、バイブコーディングをするなら、ターミナルの基本を少し知っておくと一気に安心できます。


Bashとは?

Bash は、パソコンに命令を出すための仕組みです。

もう少し正確に言うと、Bash は「シェル」の一種です。シェルとは、人間が打ったコマンドを受け取り、パソコンに伝える窓口です。

たとえば、あなたがターミナルにこう打ちます。

ls

すると Bash が、

この人は、今いるフォルダの中身を見たいんだな

と解釈して、パソコンに命令を伝えます。

つまり、Bash は 人間とパソコンの通訳 のようなものです。

Bashってなに?の図解:人が命令を書く → Bashが理解する → パソコンが実行する、という3ステップで通訳役を可視化

Bashという名前の意味

Bash は、正式には Bourne Again Shell の略です。少し変な名前ですが、昔あった sh というシェルの改良版として作られたものです。

ただ、最初は名前の由来まで覚えなくて大丈夫です。まずは、

Bash = コマンドを理解して実行してくれるもの

と思っておけば十分です。

ターミナルとは?

ターミナルは、コマンドを打ち込む画面です。

macOS なら「ターミナル」アプリや iTerm2、Windows なら PowerShell、Windows Terminal、WSL などがあります。

Claude Code や Codex を使うときも、ターミナルで起動することがあります。

claude
codex

このように、ターミナルは AI 開発ツールを起動したり、開発サーバーを動かしたりする場所になります。

コマンドとは?

コマンドとは、パソコンへの命令です。たとえば、以下は全部コマンドです。

ls
pwd
cd
mkdir
rm

短い英語のように見えますが、多くは英単語の略です。

よく使うコマンドと英語の意味

コマンド 元の英語・由来 意味
pwd print working directory 今いるフォルダを表示する
ls list 中身を一覧表示する
cd change directory フォルダを移動する
mkdir make directory フォルダを作る
touch touch 空ファイルを作る・更新時刻を変える
cat concatenate ファイルの中身を表示する
cp copy コピーする
mv move 移動する・名前を変える
rm remove 削除する
clear clear 画面をきれいにする
grep global regular expression print 文字を検索する
echo echo 文字を表示する
chmod change mode 権限を変える
chown change owner 所有者を変える
sudo superuser do 管理者権限で実行する

英語の意味がわかると、コマンドが少し怖くなくなります。たとえば、rm は remove です。つまり「消す」です。だから、rm が出てきたら注意が必要だとわかります。


まず覚えるべき基本コマンド

ここからは、最初に覚えると便利なコマンドを紹介します。

まず覚える基本コマンド10個:pwd / ls / cd / mkdir / touch / cat / cp / mv / rm / clear をアイコンと意味で一覧化

pwd:今どこにいるか見る

pwd

pwdprint working directory の略です。日本語にすると、

今作業しているフォルダを表示する

という意味です。たとえば、こんな結果が出ます。

/Users/taro/Desktop/project

これは、

今、Desktop の中の project フォルダにいます

という意味です。

ターミナルでは、自分が今どのフォルダにいるかが大事です。迷子になったら、まず pwd を打ちましょう。

ls:中身を見る

ls

lslist の略です。今いるフォルダの中身を表示します。たとえば、こんな感じです。

index.html
style.css
images
README.md

これは、今いるフォルダの中に、

  • index.html というファイル
  • style.css というファイル
  • images というフォルダ
  • README.md というファイル

があるという意味です。

cd:フォルダを移動する

cd フォルダ名

cdchange directory の略です。directory は、ほぼ「フォルダ」と同じ意味です。

たとえば、project フォルダに移動したいなら、こう打ちます。

cd project

1つ上のフォルダに戻りたいときは、こうです。

cd ..

この .. は「1つ上」という意味です。

mkdir:フォルダを作る

mkdir フォルダ名

mkdirmake directory の略です。新しいフォルダを作るコマンドです。

たとえば、images というフォルダを作りたいなら、こうです。

mkdir images

これは、マウスで「新規フォルダ」を作るのと同じです。

touch:ファイルを作る

touch ファイル名

touch は、もともとはファイルの更新時刻を変えるコマンドです。ただし、指定したファイルが存在しない場合は、空のファイルを作ってくれます。そのため、初心者向けには「ファイルを作るコマンド」としてよく紹介されます。

touch memo.txt

HTML ファイルを作るなら、こうです。

touch index.html

cat:ファイルの中身を見る

cat ファイル名

catconcatenate の略です。本来は複数のファイルをつなげて表示する意味があります。初心者がよく使う場面では、ファイルの中身を見るコマンドとして使われます。

cat memo.txt

ただし、パスワードや API キーが入ったファイルを表示すると危険です。

cat .env

これは、秘密情報を画面に出してしまう可能性があります。Claude Code や Codex が cat .env を実行しようとしていたら、基本的には止めた方がよいです。

cp:コピーする

cp コピー元 コピー先

cpcopy の略です。

たとえば、memo.txtmemo-copy.txt にコピーしたいなら、こうです。

cp memo.txt memo-copy.txt

フォルダごとコピーするときは、-r を付けます。

cp -r images images-copy

mv:移動する・名前を変える

mv 元の名前 新しい名前

mvmove の略です。ファイルを移動したり、名前を変えたりするコマンドです。

ファイル名を変える例です。

mv old.txt new.txt

フォルダへ移動する例です。

mv memo.txt documents/

rm:削除する

rm ファイル名

rmremove の略です。ファイルを削除するコマンドです。

rm memo.txt

特に危険なのがこれです。

rm -rf フォルダ名

これは、フォルダの中身ごと強制的に削除するコマンドです。

rm -rf は、強力すぎる消しゴム だと思ってください。普通の消しゴムなら1文字ずつ消しますが、rm -rf はノートごと消すようなものです。

AI が rm -rf を提案してきたら、必ず何を消すのか確認しましょう。


コマンドの形を理解しよう

Bash コマンドは、だいたいこの形をしています。

コマンド オプション 対象

たとえば、

ls -la

これは、

  • ls:一覧を見る
  • -la:詳しく、隠しファイルも含めて見る

という意味です。

別の例です。

cp -r images backup-images

これは、

  • cp:コピーする
  • -r:フォルダごと
  • images:コピー元
  • backup-images:コピー先

という意味です。

最初は全部覚えなくて大丈夫です。「コマンドには、追加の設定や対象があることが多い」と理解できれば十分です。

オプションとは?

オプションとは、コマンドに追加する細かい指示です。たとえば、ls は普通に使うと、ファイル名だけを表示します。

ls

詳しく見たいときはこうします。

ls -l

隠しファイルも見たいときはこうします。

ls -a

両方まとめて使うこともできます。

ls -la

この -l-a がオプションです。ゲームで言うと、基本技に追加効果をつけるようなものです。

パスとは?

パスとは、ファイルやフォルダの住所です。たとえば、

/Users/taro/Desktop/project/index.html

これは、index.html というファイルの住所です。

絶対パス

最初から最後まで全部書いた住所を、絶対パスと言います。

/Users/taro/Desktop/project/index.html

相対パス

今いる場所から見た住所を、相対パスと言います。

./index.html
../README.md

./ は「今いる場所」、../ は「1つ上の場所」。この2つはよく使います。

よく使う記号

Bash では、記号にも意味があります。

  • . 今いる場所を意味します。./script.sh は、今いる場所にある script.sh を実行するという意味です。
  • .. 1つ上のフォルダを意味します。cd .. で1つ上のフォルダへ移動します。
  • ~ 自分のホームフォルダを意味します。cd ~ でホームへ戻ります。
  • / フォルダの区切りです。Documents/project/index.html のように使います。

エイリアスとは?

エイリアスとは、長いコマンドに短いあだ名を付ける仕組み です。

たとえば、Claude Code をいつもこのコマンドで起動しているとします。

claude --permission-mode auto

毎回打つのは面倒です。そこで、cc という短い名前で呼べるようにできます。

alias cc='claude --permission-mode auto'

これを設定すると、次からはこう打つだけで済みます。

cc

これは実際には、

claude --permission-mode auto

を実行しているのと同じです。

エイリアスの仕組み:長いコマンドを設定ファイル(~/.bashrc)で短いあだ名(cc)に登録する流れの図解

エイリアスの注意点

エイリアスは便利ですが、注意もあります。たとえば、自分のターミナルでは cc が Claude Code 起動用のあだ名になっているとします。

alias cc='claude --permission-mode auto'

でも、別の環境では cc が C 言語のコンパイラを意味することがあります。つまり、同じ cc でも、人によって意味が違う場合があります。

AI に作業させるときや、スクリプトを書くときは、エイリアス前提にしすぎない方が安全です。たとえば、記事や手順書では、

cc

だけを書くより、

claude --permission-mode auto

のように、実際のコマンドも説明すると親切です。


エラーは怖くない

Bash を使っていると、エラーが出ます。たとえば、存在しないフォルダへ移動しようとすると、こうなります。

cd not-found-folder
No such file or directory

これは、

そんなファイルやフォルダはありません

という意味です。

エラーは怒られているわけではありません。パソコンが、

その命令は実行できませんでした。理由はこれです。

と教えてくれているだけです。

Claude Code や Codex にエラーを貼ると、原因を説明してくれることも多いです。


AIにBashコマンドを実行させるときの注意

Claude Code や Codex は、Bash コマンドを提案したり、実行したりします。便利ですが、何でも許可するのは危険です。

特に注意するのは次のようなコマンドです。

AIにコマンド実行を許可する前のチェックリスト6項目:削除コマンド/秘密表示/外部送信/本番影響/何をするか理解/わからなければ止まる

1. 削除するコマンド

rm
rm -rf

大事なファイルを消す可能性があります。

2. 秘密を表示するコマンド

cat .env
printenv
env

API キーやパスワードを画面に出してしまう可能性があります。

3. 外部に送るコマンド

curl
git push
npm publish

コードや情報を外に送る可能性があります。

4. 本番に影響するコマンド

deploy
wrangler deploy
vercel deploy

公開中のサービスに影響する可能性があります。

AI が提案したコマンドでも、実行前に、

これは何をするコマンドか?

を確認しましょう。


Claude Code / Codexでよく見るコマンド

バイブコーディングで特によく見るコマンドもあります。

コマンド 意味
npm install 必要なライブラリを入れる
pnpm install pnpm でライブラリを入れる
npm run dev 開発サーバーを起動する
pnpm dev package.json の dev スクリプトを実行する
npm run build 本番用にビルドする
pnpm build pnpm で build スクリプトを実行する
git status Git の変更状態を見る
git diff 変更内容を見る
git add 変更を記録対象にする
git commit 変更を保存する
git push 変更をリモートへ送る

ここで大事なのは、pnpm dev は魔法のコマンドではない ということです。これは、package.json の中に書かれた dev というスクリプトを実行しています。

{
  "scripts": {
    "dev": "vite dev"
  }
}

この場合、

pnpm dev

は、実際には vite dev を実行しています。


最初に覚える10個のコマンド

まずは、以下の10個を覚えれば十分です。

コマンド 意味
pwd 今いる場所を見る
ls 中身を見る
cd フォルダを移動する
mkdir フォルダを作る
touch ファイルを作る
cat ファイルの中身を見る
cp コピーする
mv 移動する・名前を変える
rm 削除する
clear 画面をきれいにする

練習してみよう

最後に、練習用の流れを紹介します。

pwd
mkdir bash-practice
cd bash-practice
touch memo.txt
ls
cat memo.txt
cd ..

これで、

  1. 今いる場所を確認する
  2. bash-practice フォルダを作る
  3. そのフォルダに移動する
  4. memo.txt ファイルを作る
  5. 中身を確認する
  6. 1つ上のフォルダに戻る

という練習ができます。

練習の流れ5ステップ:pwd → mkdir bash-practice → cd bash-practice → touch memo.txt → ls / cat memo.txt の図解

削除の練習をするときは、必ず練習用フォルダだけで行いましょう。

rm memo.txt

rm -rf は最初のうちは使わなくても大丈夫です。


まとめ

Bash コマンドは、パソコンに文字で命令する方法です。Claude Code や Codex を使うと、AI がコマンドを提案したり、実行したりします。そのとき、何もわからずに許可するより、

このコマンドは何をしようとしているのか?

が少しでも読める方が安全です。

まずは、

pwd
ls
cd

この3つから始めましょう。そして、次のコマンドには特に注意しましょう。

rm
rm -rf
cat .env
printenv
git push
deploy

Bash は、怖いものではありません。ただし、強い力を持った道具です。バイブコーディングを安全に楽しむためにも、最低限の Bash コマンドを読めるようになっておくと、Claude Code や Codex をもっと安心して使えるようになります。