最近、Claude Code や Codex といった「AI コーディングエージェント」を業務で使う方が一気に増えてきました。これらはどちらも、ブラウザではなくターミナル上で動くのが大きな特徴です。

ターミナル上で動くということは、AI が自分のパソコン上のファイルを直接読み書きしたり、コマンドを実行したりできるということです。そうなると相性がよくなるのが、いわゆる「CLI ツール」と呼ばれるコマンドラインツールたちです。

本記事では、AI にあまり詳しくない方にも分かるように、CLI ツールとは何かをまずご説明し、そのうえで弊社で実際に使っている CLI ツールと、これから検討している CLI ツールをご紹介します。あわせて、直近1か月以内に各ツールで起きたアップデートのうち、特に AI 開発と関わりの深いものを取り上げます。


そもそも CLI ツールとは何か

CLIツールとは何かを説明する図解:GUI(ブラウザ画面でクリック)とCLI(ターミナルでコマンド入力)の対比、およびAIエージェントとの相性を可視化したインフォグラフィック

普段、私たちが Web サービスを使うときは、ブラウザの画面(GUI)でボタンを押したり、フォームに入力したりします。これに対して CLI(Command Line Interface)ツール というのは、同じ操作をターミナルから文字のコマンドで実行するためのプログラムです。

たとえば「GitHub で新しい Pull Request を作る」という作業は、本来ならブラウザで GitHub を開き、ボタンをいくつかクリックして行います。これを CLI ツールを使うと、gh pr create という1行のコマンドで完了させることができます。

CLI ツールには、人間にとっての利点と、AI エージェントにとっての利点の両方があります。

人間にとっては、毎回ブラウザに切り替える必要がなくなり、繰り返し作業を自動化しやすくなります。スクリプトに組み込んで「ボタンひとつで一連の作業をまとめて実行」といったこともできます。

AI エージェントにとっては、もっと意味が大きくなります。Claude Code や Codex は、画面を見て操作するのが苦手な代わりに、コマンドを実行して結果を読むことは非常に得意です。CLI ツールがあれば、AI が「Stripe に新しい商品を登録する」「Webhook を設定する」「メールを送る」といった一連の作業を、人間が見守りながら、もしくは半自動で進めてくれるようになります。

つまり CLI ツールは、AI 時代において「AI エージェントが触れる手足」を増やしていくための部品とも言えます。Cloudflare 社が最近「Agents love CLIs(AI エージェントは CLI が大好きだ)」と表現している通り、ここ最近は各社が「自社のサービスを操作できる CLI ツール」を急速に整備しつつあります。

それでは、実際に弊社で日々使っている CLI ツールから順にご紹介していきます。


弊社で実際に使っている CLI ツール

弊社で実際に使っているCLIツール一覧の図解:GitHub CLI、1Password CLI、Stripe CLI、Cloudflare Wrangler、Clerk CLI、Resend CLI、CodeRabbit CLI の7ツールを役割別にまとめたインフォグラフィック

1. GitHub CLI(gh)

GitHub は、ソースコードのバージョン管理サービスとして広く知られています。Pull Request のレビューや、Issue でのタスク管理など、ソフトウェア開発のかなりの部分が GitHub 上で行われています。

GitHub CLI は、その GitHub の操作をすべてターミナルから行えるようにする公式ツールです。Pull Request の作成、レビューの依頼、Issue の起票、CI/CD の実行状況の確認、リリースの作成まで、ブラウザを開かずに完結できます。Claude Code や Codex にコードを書いてもらった後、gh pr create でそのまま Pull Request を作るところまで一気通貫で任せられるのが大きな魅力です。

直近のアップデート:2026年4月16日にリリースされた v2.90.0 で、gh skill という新しいコマンドが追加されました。これは Claude Code、Codex、Cursor、GitHub Copilot、Gemini CLI などの AI エージェント向けの「スキル」を、GitHub のリポジトリから直接インストール・管理できる機能です。

gh skill search documentation
gh skill install github/awesome-copilot documentation-writer
gh skill update --all

スキルとは、AI エージェントに特定の作業の進め方を教えるための、命令文・スクリプト・関連リソースのセットです。これまでは各エージェントごとに別々の方法でインストールしていたものを、gh skill で統一的に扱えるようになりました。さらに4月22日の v2.91.0 では、スキル関連のテレメトリ機能やセキュリティ機能が強化されています。AI エージェントを業務で使う組織にとっては、スキルの管理が一段やりやすくなる重要な変化です。

2. 1Password CLI(op)

1Password はパスワード管理サービスとして有名ですが、開発現場では API キーや各種シークレットの保管庫として活用するのが定番です。

1Password CLI を使うと、パスワード・API キー・トークン類を .env ファイルなどに直書きせず、すべて 1Password の中に保管したまま、必要なときだけ読み出して環境変数として渡すことができます。op run -- npm start のように使えば、API キーを画面に出すことなくアプリを起動でき、シークレットの漏洩リスクを大きく減らせます。AI エージェントに .env を読まれて困る、という不安もこれで解消できます。

直近のアップデート:2026年4月16日にリリースされた 1Password CLI 2.34.0 は、AI 開発者にとって特に大きなアップデートでした。Claude Code CLI 用のシェルプラグインと、OpenAI Codex CLI 用のシェルプラグインが追加されたのです。

これまで Claude Code や Codex を使うには、Anthropic / OpenAI の API キーを別途環境変数として管理する必要がありました。今回のアップデートで、これらのキーを 1Password に保管しつつ、Touch ID などの生体認証で都度承認するだけで AI エージェントを起動できるようになりました。API キーを .env に書いて持ち歩く必要がなくなり、複数の作業端末で同じ鍵を共有する運用も大幅にやりやすくなります。

3. Stripe CLI

Stripe はオンライン決済サービスのデファクトスタンダードで、SaaS や EC 事業の決済基盤として広く使われています。

Stripe CLI は、Stripe のテスト環境を手元のターミナルから自由に操作するためのツールです。特に強力なのが Webhook のローカル転送機能で、stripe listen --forward-to localhost:8787/webhook と打つだけで、本番の Stripe から送られてくる Webhook を、開発中のローカルアプリにそのまま流し込むことができます。stripe trigger checkout.session.completed のようにイベントを手動で発火させてテストすることも可能です。決済処理のように、本番でしか起きにくいイベントを開発中に再現できるのは大きな価値です。

直近のアップデート:2026年4月28日に v1.40.9 がリリースされました。注目は v1.40.8 で追加された stripe preview get|post|delete という新しい HTTP コマンドです。これにより、最新のプレビュー版 API に対して、curl のように直接 HTTP リクエストを送れるようになりました。新機能をいち早く試したい開発者や AI エージェントにとって、検証のハードルが一段下がっています。

4. Cloudflare Wrangler(wrangler / cf)

Cloudflare は、CDN やセキュリティサービスから出発して、現在では Workers(サーバーレス関数)、D1(SQLite ベースの DB)、R2(オブジェクトストレージ)など、アプリケーションのホスティング基盤を一通り揃えるプラットフォームへと進化しています。

Wrangler はその開発・デプロイのための CLI ツールで、ローカル開発、デプロイ、ログの確認、D1 への SQL 実行、シークレットの設定など、Cloudflare 上のアプリ運用に必要なほぼすべての操作をカバーしています。

直近のアップデート:Cloudflare は2026年4月13〜15日の「Agents Week 2026」で、Wrangler を「AI エージェントのために再構築する」と発表しました。新しい統合 CLI である cf のテクニカルプレビュー版が公開されており、npx cf または npm install -g cf で試せます。

新しい cf CLI は、現在3,000近くある Cloudflare の API 操作を、最終的にはすべて CLI から扱えるようにすることを目指しています。背景には、「API の主な利用者がもはや人間ではなく AI エージェントになりつつある」という Cloudflare 自身の認識があります。あわせて公開された Local Explorer は、ローカル開発中の Worker が使っている KV、R2、D1、Durable Objects の中身を覗ける機能で、これまで暗黙の領域だった「ローカルの状態」を可視化するものです。

なお、4月1日には wrangler ai-search という、Cloudflare の AI 検索を管理するための新しいコマンド群も追加されています。

5. Clerk CLI

Clerk はユーザー認証・サインインまわりを丸ごと提供するサービスです。E メール/パスワード、ソーシャルログイン、パスキー、組織管理、ユーザーロールといった、認証周辺で必要になる機能を一通りカバーしてくれます。

Clerk CLI を使うと、開発中のアプリに Clerk を組み込むときの初期設定や、環境ごとの設定の同期などをコマンドラインから行えます。フロントエンドフレームワーク(Next.js、React など)に対応したセットアップを自動的に組み込んでくれるため、認証まわりの初期構築にかかる時間が短縮できます。

6. Resend CLI

Resend は、開発者向けに設計された比較的新しいメール送信 API サービスです。React Email と組み合わせたコンポーネントベースのメールテンプレート開発ができることが特徴で、トランザクションメール(パスワードリセット通知、購入確認メールなど)を作るのが非常に楽になります。

Resend CLI を使うと、ローカルでメールテンプレートを書いてプレビューしたり、テスト送信を行ったりといった作業をターミナルから行えます。AI エージェントにメールテンプレートを書いてもらい、CLI 経由でテスト送信してプレビューを確認する、というワークフローが自然に組み立てられます。

7. CodeRabbit CLI

CodeRabbit は、AI によるコードレビューを自動化するサービスです。Pull Request を開いた瞬間に、潜在的なバグ、セキュリティの問題、ロジックの矛盾、設計上の懸念などを検出して、レビューコメントとして提示してくれます。

CodeRabbit CLI は、そのコードレビューを、Pull Request を作る前の段階で、ローカルの未コミット変更に対しても実行できるようにするツールです。

これが Claude Code と特に相性がよく、専用の Claude Code プラグインも公式に提供されています。プラグインを入れると、Claude Code のなかから /coderabbit:review というスラッシュコマンドでレビューを呼び出せます。さらに「CodeRabbit の指摘がゼロになるまで自動で修正して」と Claude Code にお願いすると、Claude がコードを書く → CodeRabbit がレビューする → Claude が指摘を修正する → 再度レビューする という自律的なループを回してくれるようになります。AI による「実装担当」と「レビュー担当」の役割分担が、CLI 上で完結するわけです。


ターミナルとワークスペースを整える環境

ここからは厳密には「CLI ツール」ではないものも含みますが、AI コーディングエージェントの体験を底上げするうえで欠かせない、ターミナル周辺の環境についてご紹介します。Mac で日々使っている Superset を中心に、似た領域の他のツールとの違いも整理してみます。

Superset(macOS で愛用中)

Superset(ドメインは superset.sh)は、複数の AI コーディングエージェントを並列で動かすために作られた macOS 向けのデスクトップアプリです。データ可視化ツールとして有名な Apache Superset とは別物ですので、ご注意ください。

Superset の中心にある考え方は、「Git ワークツリーをエージェントごとに切り分ける」というものです。Claude Code や Codex のようなエージェントは、ファイルをガッツリ書き換えながら作業を進めるため、同じディレクトリで複数走らせると互いに干渉してしまいます。Superset はタスクごとに新しい Git ワークツリーを自動で作り、その中でエージェントを走らせるため、「API エンドポイントを実装させている Claude Code」と「テストを書かせている別の Claude Code」と「ドキュメントを更新させている Codex」を、同時並行で動かすことができます。

GUI には各ワークスペースの一覧、組み込みのターミナル、Diff ビューア、ポート管理、お好みのエディタ(VS Code、Cursor、Xcode、JetBrains 系、その他)にワンクリックで開く機能などがまとまっており、エージェントが何をどこまでやったのかを横断的に確認しやすい設計になっています。

弊社では、複数の案件を並行で進める日に特に重宝しています。「片方のエージェントが調査をしている間に、もう片方に実装を進めてもらう」という運用が、ストレスなく成り立つようになりました。

Ghostty / tmux / cmux との違い

Superset を紹介すると、よく「Ghostty・tmux・cmux と何が違うのか」と質問をいただきます。これらは似たカテゴリに見えて、実はそれぞれが扱うレイヤーが異なるツールです。

Ghostty は、いわば「ターミナルアプリそのもの」です。HashiCorp 創業者の Mitchell Hashimoto 氏が開発した、GPU 加速の高速なターミナルエミュレータで、文字をきれいに高速に表示することに特化しています。タブや分割もありますが、本質的には「1つのターミナルウィンドウ」を提供するアプリです。2026年3月の v1.3 でスクロールバック検索やネイティブスクロールバーが入り、常用ターミナルとしての完成度が高まりました。

tmux は、Ghostty(や他のターミナル)の中で動くソフトウェアです。1つのターミナルウィンドウの中に、複数のセッション・ウィンドウ・分割ペインを作ることができ、しかもサーバー上で動かしておけば、ローカルの端末を閉じても作業状態が保存されます。SSH 越しに長時間の作業をする場合などには今でも非常に重宝されますが、AI エージェント時代に特化した設計がされているわけではありません。

cmux は、最近登場した macOS ネイティブの新しいターミナルアプリです。名前から想像されるかもしれませんが、tmux とは別物です。Ghostty 技術を内部で活用しており、垂直タブ、分割ペイン、Claude Code のタスク完了をデスクトップ通知してくれる機能、サブエージェントの状態を可視化するサイドバーなど、AI コーディングエージェントを使うことを前提に UI が設計されている点が特徴です。「Ghostty + tmux の便利さ + AI 向けの気の利いた機能」をひとつにまとめたような立ち位置のアプリ、と言うと分かりやすいかもしれません。

そして Superset は、これらとはさらに一段上のレイヤーにあります。Ghostty や cmux が「ターミナルそのもの」を提供するのに対し、Superset は「複数のエージェントが、複数のワークツリーで、同時に動く」状況を管理するためのツールです。内部にもターミナルは持っていますが、それが主役ではなく、Git ワークツリーとエージェントのオーケストレーションが本体です。

整理すると、おおよそ次のように積み重なるイメージです。

ターミナル環境の3層構造を可視化した図解:1階「ターミナルそのもの(Ghostty/cmux/iTerm2 等)」、2階「マルチプレクサ(tmux 等)」、3階「エージェントオーケストレータ(Superset)」が積み重なる構造

  1. ターミナルそのもの(Ghostty、cmux、iTerm2、Terminal.app など)
  2. マルチプレクサ(tmux、cmux の分割機能 など)
  3. エージェントオーケストレータ(Superset)

この3層は組み合わせて使うことができます。たとえば「Ghostty + tmux」で古典的な高速ターミナルを構築する人もいれば、「cmux 1つで全部済ませる」という人もいます。そしてさらにエージェントの並列実行を本格化させる段階で、Superset が上に乗ってくる、という関係です。

弊社の場合、Mac ではターミナル単体としては Ghostty を使い、複数エージェントの並列運用が必要なときは Superset を起動する、という使い分けをしています。

その他、地味だが効く道具たち

最後に、上記ほど大きな存在感はないものの、ターミナル中心の開発体験を一段引き上げてくれる小道具を簡単にご紹介します。

  • mise は、Node.js、pnpm、Bun、Python といった各種ランタイムのバージョンを、プロジェクトごとに mise.toml というファイルで宣言的に管理できるツールです。Mac、Windows(WSL)、Linux のあいだで開発環境を揃えるのが格段に楽になります。
  • lazygit は、ターミナル上で動く Git の TUI クライアントです。AI に作ってもらったコミットを、ファイル単位でレビューしながら微修正していく、といった作業が圧倒的にやりやすくなります。
  • atuin / zoxide / starship / fzf は、シェルの基本機能(履歴、ディレクトリ移動、プロンプト、あいまい検索)をそれぞれ強化する小さなツール群です。一つひとつは地味ですが、複数のプロジェクトを並行して回している方には、積み重ねでかなり効いてきます。

これから足したい CLI ツール

ここからは、まだ自分では本格的に使っていないものの、「これは良さそうだ」と感じて検討中の CLI ツールをご紹介します。

Drizzle Kit

Drizzle ORM は TypeScript 製のデータベース ORM で、Cloudflare D1 とも非常に相性がよいライブラリです。Drizzle Kit はその付属 CLI で、TypeScript で定義したスキーマからマイグレーション SQL を自動生成してくれます。

drizzle-kit generate でスキーマの差分から自動的にマイグレーションファイルを作成し、wrangler d1 migrations apply で D1 に適用する、という流れがコマンドだけで完結します。Claude Code に Drizzle のスキーマファイルを編集してもらい、そのまま CLI で型整合性のあるマイグレーションを生成・適用する、というのが安心感のあるワークフローです。

Sentry CLI

Sentry は、本番環境で発生したエラーを集約・通知してくれるエラー監視サービスです。SaaS を実際に運用するうえでは、ほぼ必須と言えるカテゴリのツールです。

Sentry CLI は、デプロイのたびに実行するソースマップのアップロードや、リリースの登録を自動化するためのツールです。sentry-cli sourcemaps uploadsentry-cli releases new を CI やデプロイスクリプトに組み込んでおけば、何かエラーが発生したときに「どのリリースで、ソースコードのどこで起きたか」をピンポイントで追えるようになります。AI エージェントが書いたコードを本番に出していくのであれば、エラー監視の網はむしろ普段より丁寧に張っておきたいところです。

Twilio CLI

Twilio は、SMS 送信、音声通話、WhatsApp 連携などの通信機能を API 経由で利用できるサービスです。日本国内で使いやすい電話番号も取得でき、サービスの本人認証や通知に幅広く使えます。

Twilio CLI を使うと、電話番号の購入、SMS テンプレートの管理、Webhook URL の設定変更といった操作をすべてコマンドラインから行えます。Cloudflare Workers 側の Webhook エンドポイントが変わったタイミングで、CLI から対応する電話番号の Webhook URL を書き換える、といった運用がスクリプト化できます。AI を使った電話応対や音声サービスを構築する場合にも、開発体験が大きく変わってくるはずです。

n8n CLI

n8n は、いわばオープンソース版の Zapier のようなワークフロー自動化ツールです。「Gmail で特定のメールを受信したら、内容を AI に要約させて Discord に投稿する」といった処理を、ノーコードで組み立てられます。

n8n CLI を使うと、ブラウザの n8n 上で作ったワークフローをファイルにエクスポートして、Git で管理できるようになります。n8n export:workflow --all でワークフローを書き出し、Claude Code にレビューや改修をしてもらってから、再度インポートする、といった「ワークフロー自体をコードのように扱う」運用が可能になります。AI エージェントとローコードツールの中間に立つ、やや珍しいけれども便利な使い方ができるツールです。


おわりに

記事のまとめ図解:主要なCLIツール(GitHub CLI、1Password CLI、Wrangler、Stripe CLI 等)が「AIエージェントに使われること」を意識して進化していることをまとめたインフォグラフィック

ここ1か月のアップデートを振り返ってみると、共通するテーマがはっきり見えてきます。それは、主要な CLI ツールが「AI エージェントに使われること」を明確に意識して進化し始めている ということです。

GitHub CLI が gh skill でスキル管理を統一し、1Password CLI が Claude Code・Codex をシェルプラグインで公式サポートし、Cloudflare が Wrangler を AI エージェント向けに再設計し、Stripe がエージェントが直接 API に触れるためのコマンドを増やしていく。

Claude Code や Codex のような AI エージェントは、それ単体で見ると「賢いコード生成ツール」に過ぎません。けれども、その手足となる CLI ツールたちと組み合わさることで、人間の代わりに開発・デプロイ・運用までを担えるパートナーへと変わっていきます。さらにその上に、Superset のような「複数エージェントの並列管理」レイヤーが加わることで、1人の開発者の生産性は確実に何倍にも引き上げられます。

CLI ツールやターミナル周辺の環境は、一見すると地味で取っつきにくく見えるかもしれません。しかし、AI コーディングエージェントを業務で使い倒したいと考えているのであれば、「自分が日々使っている Web サービスの CLI 版を一通り揃えておく」「AI エージェント向けに設計されたターミナル環境を整えておく」ことは、もっとも費用対効果の高い投資のひとつだと感じています。

本記事でご紹介したものに限らず、皆さまが使っているサービスに公式 CLI があるかどうか、ぜひ一度調べてみてください。何気なく公開されているコマンドが、AI エージェントにとっての強力な手足になってくれるはずです。