株式会社KOIYAL は、2026年1月25日(日)に全国の高専生を対象とした「みちびき災危通報ハッカソン」最終発表会を実施しました。

準天頂衛星システム「みちびき」の災害・危機管理通報サービスを活用したこのハッカソンは、2020年から続く「みちびき × 高専」連携プロジェクトの5年目の取り組みです。今年度は従来のアイデアソンや教材開発から一歩踏み出し、実機を用いたプロダクト開発に挑む「ハッカソン」として実施。沖縄・豊田・長岡の3高専から集まった9名の学生が、衛星データを活用した防災ソリューションを形にしました。


2020年からの歩みと、今年度の「ハッカソン」への進化

「みちびき」を活用した次世代人材育成の取り組みは2020年に始まりました。これまで、衛星測位や災害危機通報をテーマにしたアイデアソンや、技術習得のための教材開発を継続的に実施し、高専生の創造力を育んできました。

5年目を迎える今年度は、これまでの蓄積を活かし「アイデアを形にする力」を養うべく、初のハッカソン形式を採用。学生たちは数ヶ月にわたる開発期間を経て、実際に動作するプロトタイプを作り上げ、オフラインでの最終発表会に臨みました。


ハッカソンの概要

  • 日程:2025年12月09日(火)~18日(木)【オンライン講義6回】、2026年01月24日(土)・25日(日)【オフライン】
  • 会場:X-NIHONBASHI BASE
  • 参加:沖縄・長岡・豊田の各高専 計9名・3チーム(本科2〜3年生)
  • 主催:内閣府 宇宙開発戦略推進事務局/準天頂衛星システムサービス株式会社
  • 企画運営:長岡工業高等専門学校/株式会社KOIYAL
  • 運営協力:株式会社プロッセル(メンタリング・技術監修)

オンラインプログラム内容(抜粋)

  • GPGGA パケットの理解 / 受信機の使用
  • QZQSM パケットの理解
  • パイプラインによる自動デコード
  • 地理情報の可視化
  • プレゼンテーション

参加チームとプロダクトの概要

全国から志の高い3チーム(計9名)が参加し、それぞれが「災害危機通報」の特性を最大限に引き出すプロダクトを開発しました。地上通信が途絶した環境下でも衛星経由で情報を届けるという特性に対し、ハードウェア制御からアプリケーション開発まで多岐にわたる技術が駆使されています。

沖縄工業高等専門学校:SatOS

災害時の混乱の中でもボタンを「さっと押す」だけでSOSを呼べるデバイス SatOS を開発。被災地の被害減少と、一日でも早い被害地域の復旧を目指す構想を発表しました。

沖縄高専チームによる SatOS の最終発表。スライドには「SatOS の今後の展望:被災地の被害減少/一日でも早い被害地域の復旧」が映る

豊田工業高等専門学校:MICHIBIKI GUARDIAN TAP

地震後に起こる電気火災を防止する、みちびき受信機搭載の電源タップ MICHIBIKI GUARDIAN TAP を開発。災危通報の受信に応じて自動的に通電を制御するハードウェア・ソフトウェア統合プロダクトです。

豊田高専チームによる MICHIBIKI GUARDIAN TAP の発表。テーブル上にプロトタイプの電源タップが置かれている

長岡工業高等専門学校:Hair日和

テレビやニュースに興味のない人にも、髪型のセットなどの日課に合わせて緊急災害情報を届ける Hair日和 を開発。「情報を届ける接点」を生活動線の中に作るというユニークな発想です。

長岡高専チームによる Hair日和 の発表。スクリーンに UI モックアップが投影されている


アンケートと参加者の声

事後アンケートでは、参加学生から非常にポジティブなフィードバックが得られ、本プロジェクトの教育的価値が裏付けられました。

  • 総合満足度:4.44 / 5.0
  • 友人への推奨度:8.22 / 10.0
  • 宇宙技術への関心向上:4.67 / 5.0(参加前と比較して大きく向上)

当初は「Python やハードウェア通信は授業レベル」と回答していた低学年の学生も、メンターの支援を受けながら開発を完遂。「位置情報を緯度経度で割り出す技術が非常に役立った」「他高専との交流が大きな刺激になった」といった声が上がりました。

2020年から続くこのプロジェクトにハッカソンとして参加でき、授業では学べない実践的なスキルを習得できた。将来はこの技術をさらに普及させたい。 ― 本科2年

みちびきの測位システムと災危通報に非常に興味を持った。今後も注目して新たなサービスを作りたい。 ― 本科3年

オフラインの発表会で、社会で働くプロの方々から直接フィードバックをもらえたことは、かけがえのない経験になった。 ― 本科2年


今後の展望

アイデアソンの「構想」から、ハッカソンの「実装」へと進化した本取り組みは、宇宙技術の社会実装を担う若手エンジニアの育成、そして準天頂衛星システム「みちびき」の知名度向上に大きく寄与しました。今後も、高専生が「みちびき」「宇宙産業」に興味を持ち、将来の宇宙産業人材として貢献できる環境づくりを推進してまいります。

最終発表会後の集合写真。沖縄・豊田・長岡の参加学生と運営スタッフ、メンターが X-NIHONBASHI BASE に勢揃い


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出張授業実績

  • 2023年9月19日(火)〜22日(金):香川高専(3学科 4・5年生 8名)
  • 2024年1月25日(木):釧路高専