正直、AI導入は高いですよね。全社員に使ってもらいたい。でも、人数分の有料ライセンスを並べた見積もりを見ると、少し立ち止まりたくなる。

Microsoft 365 Copilot Businessの通常価格は、年払いの場合で1人あたり月額換算3,148円です。100人なら月額換算31万4,800円、年間377万7,600円。税別で、対象となるMicrosoft 365の基本契約は別に要ります。2026年7月1日から12月31日までは、対象の法人プランを使っている既存顧客向けに2,698円のキャンペーン価格が出ていますが、この記事の計算には含めていません。価格は2026年10月26日にMicrosoftの日本向けページで確認した数字です。

この金額を全員分払うかどうかは、社員が何をするかを分けてから判断できます。広く文章を考える人、社内の決まった質問をする人、日々の会議や資料作成へ深く組み込む人。それぞれに合う使い方を組み合わせれば、導入できる人数と費用を両立しやすくなります。

読者は、全社員へのAI導入を任された情報システムの担当者と、その見積もりを決裁する経営者です。Microsoft 365を使っている会社を前提に書きます。

結論を先に書きます。

  1. 全社員に同じ契約を配るのではなく、3つの使い方を組み合わせます。 会社管理のCopilot Chat、Copilot Studioで作る専用エージェント、有料のMicrosoft 365 Copilot。Copilot Chatの基本利用は対象の契約と会社のアカウントで使え、専用エージェントを従量課金で提供する場合にAzureの課金設定が要ります。有料ライセンスは複数の仕事に使う人にだけ付けます
  2. 専用エージェントの「1回いくら」は、質問の数ではなく使う機能で決まります。 単位はCopilot Creditsで、従量課金なら1 Creditあたり0.01米ドル。社内資料を検索して生成回答を返す1回で12 Creditsという公式の例があります。100人の会社で20人に有料ライセンス、80人が専用エージェントを月50件使う仮定では、月額換算で13万4,960円。全員に有料ライセンスを配る31万4,800円より小さい数字ですが、同じ機能同士の比較ではありません
  3. 有料利用者の分は二重に数えず、利用者のIDはまとめません。 有料ライセンスを持つ人が認証された状態で使う社内向けエージェントの利用は、条件を満たせば追加の消費なしです。一方、費用を利用量でまとめても、誰の権限で資料を読むかは人ごとに制御します
  4. 予算の通知は、利用を止めません。 Copilot Chatのエージェント向け従量課金の予算は通知のための仕組みで、超えても利用は続くと公式に明記されています。止める仕組みは別にあり、構成ごとに違うものです。通知を受ける人、増額を決める人、止める操作をする人を先に決めます

全社員への導入を、3つの使い方で組み立てる

Microsoft 365環境では、次の3つを組み合わせる設計を検討できます。

使い方 主な対象業務 費用の考え方
会社管理のCopilot Chat 公開情報の整理、文章の構成、承認された範囲の相談 対象のMicrosoft 365契約とEntraアカウントがあれば、チャットの基本利用は追加料金なし
Copilot Studioの専用エージェント 経費ルールの案内、申請の受付、決まった資料からの回答 利用に応じてCopilot Creditsを消費。従量課金にはAzureとの課金設定が要る
有料のMicrosoft 365 Copilot 日常の資料作成、会議、社内情報を使う横断的な作業 対象者に有料ライセンスを付け、使い方と実績を確認する

追加料金なしのCopilot Chatは、個人向けの無料サービスを社員に案内するという意味ではありません。会社管理のアカウントと対象の契約を使い、入力してよい情報や外部連携を決めて利用します。Microsoftの日本向けページの説明はこうです。対象となるMicrosoft 365サブスクリプションを持つMicrosoft Entraアカウントのユーザーは、Copilot Chatを追加料金なしで利用できる。

有料ライセンスは、役職や希望だけで配るより、実際に複数の仕事へ使う人に付けると判断しやすくなります。利用回数だけでなく、資料作成や会議後の作業がどこまで終わったかを見ます。

3つの使い方のどれが向くかは、仕事の形で決まります。相談相手が欲しい仕事はCopilot Chat。答えの範囲が決まっている仕事は専用エージェント。WordやExcel、Teamsの中で社内情報を横断して使う仕事は有料ライセンス。この対応を先に決めると、人数に単価を掛ける前の設計ができます。

社員数別のおすすめ導入手順

3つの使い方の配分は、社員数で変わります。当社の整理を表にします。どの規模でも順番は同じで、Copilot Chatを全員に、専用エージェントは1業務で実測、有料ライセンスは効果を確かめた人から、です。変わるのは、誰が運用を持つかと、最初に実測する業務の選び方です。

社員数の目安 最初の1か月 2〜3か月目 有料ライセンスの付け方
10〜30人 会社管理のCopilot Chatを全員が使える状態にし、入力してよい情報の決まりを1枚で配る 問い合わせが集まる業務を1つ選び、専用エージェントを作る前に、Copilot Chatと資料の整備で済むかを試す 経営者と事務の中心になる1〜3人から。実績を見て増やす
30〜100人 Copilot Chatの全員利用に加え、専用エージェントの候補業務を部門から1つ選ぶ 選んだ1業務で専用エージェントを少人数で実測し、完結率と1件あたりの費用を出す 実測で規程以外の質問が多かった人と、日常的に資料作成と会議をする人から
100〜300人 Copilot Chatの全員利用と、従量課金の予算通知とエージェントごとの月次上限の設定を先に済ませる 部門ごとに1業務ずつ専用エージェントを実測し、容量パックへの切り替えは量が安定してから判断する 部門単位で効果を確かめた人から。全員分を一度に並べない

小さい会社ほど、専用エージェントを作る前にCopilot Chatと資料の整備で足りるかを試す価値があります。構築と更新の担当者を置けないまま専用エージェントを作ると、回答の更新が止まるからです。大きい会社ほど、先に止める仕組みと記録の取り方を決めておく形です。人数が増えるほど、使わない人の分の費用と、止まらない従量課金の影響が大きくなります。

専用エージェントで済むのは、仕事の範囲が決まっている場合

たとえば、全社員が月に数回、経費精算のルールを確認する会社を考えます。

この仕事で必要なのは、対象の規程を読み、根拠を示し、分からない場合には担当部署へつなぐことです。回答のために必要な資料、使える人、対応できない質問が決まっています。

こうした業務なら、Copilot Studioで専用エージェントを作り、社員が使うチャネルへ公開する方法が候補になります。利用者全員へ有料のMicrosoft 365 Copilotを追加しなくても、従量課金で提供する構成を選べる形です。日本向けのページにも、Copilot Chatの利用者は所属組織で構築されたカスタムエージェントを従量課金で利用できる、エージェントを使うにはAzureサブスクリプションが必要、と書かれています。

一方、専用エージェントを1つ作っても、有料Copilotが会議やメール、WordやExcelの中で提供する体験を、すべて再現できるわけではありません。社内規程の確認は専用エージェント。幅広い日常業務には有料ライセンス。仕事との対応をこう決めます。

作るエージェントは、最初は1つで十分です。回答に根拠を付ける、規程外の判断をしない、回答できなければ担当へ渡す。ここまでを完成させてから、申請登録などの操作を追加します。

エージェントを作る人の費用も確認しておきます。従量課金で運用する場合、作る人にはPower Platform管理センターでCopilot Studioの作成者ロールを与えます。2026年10月版のライセンスガイドでは、このロールの価格は0ドルです。セキュリティグループを1つ作り、そのメンバーだけが作れるようにする運用になります。

1回いくらは、質問の数だけでは決まらない

Copilot Studioの公開されている米ドル建ての従量課金の単価は、1 Copilot Creditあたり0.01ドルです。2026年10月版のライセンスガイドに記載があります。ただし、1回の質問が1 Creditという意味ではありません。

現在の料金表では、機能ごとに消費量が決まっています。以下はStandard harnessで作るエージェントの料金表で、推論モデルを使う場合やAIツールの消費は別に加算されます。

エージェントの機能 消費量
クラシック回答(あらかじめ書いた定型の返答) 1 Credit
生成回答 2 Credits
エージェントアクション 5 Credits
テナントグラフグラウンディング(Microsoft Graphの社内データを使う検索) 10 Credits
エージェントフローのアクション 100アクションあたり13 Credits

1つの会話で複数の機能を使えば、その分の合計です。公式の説明には、テナントグラフグラウンディング10 Creditsと生成回答2 Creditsを合わせて、1つの複雑な質問に12 Creditsを使う例があります。この記事では、テナントグラフグラウンディングを1回、生成回答を1回使う構成を例として、1件12 Creditsと仮定します。逆に、定型の返答だけで済む質問なら1 Credit。推論モデルを使う場合は、機能別の消費量とは別に、課金対象の1,000トークンあたり10 Creditsが加わります。

エージェントの機能ごとのCopilot Credits消費量を棒グラフで並べた図。クラシック回答1、生成回答2、エージェントアクション5、テナントグラフグラウンディング10、エージェントフロー100アクションあたり13、社内資料を検索して生成回答を返す1回の例が12

ここで、100人の会社で「20人は有料Copilot、残る80人は専用エージェントを月50件使う」と仮定します。計算を分かりやすくするため、1件12 Credits、1ドル150円と置く。有料利用者20人の利用は、Microsoftのチャネルで本人認証して使う、ライセンスに含まれる条件を満たす構成と仮定します。推論モデルやAIツールの追加消費は含めません。為替も利用量も比較用の仮定で、国内の実際の契約価格ではありません。

項目 計算 月額換算の参考値
20人の有料ライセンス 20人 × 3,148円 62,960円
80人のエージェント利用 80人 × 50件 × 12 Credits 48,000 Credits
上記の従量料金を仮定の為替で換算 48,000 × 0.01ドル × 150円 72,000円
ライセンスと従量料金の小計 62,960円 + 72,000円 134,960円

この小計には、基本のMicrosoft 365契約、エージェントの構築と運用、別途必要な接続サービス、税などを含めていません。また、100人全員が有料Copilotの全機能を使える構成との、同じ機能同士の比較でもありません。

それでも、人数だけで有料ライセンスをそろえる前に、使う業務と利用量を分けて見積もる価値があることは分かります。80人分の利用が2倍になれば、例の従量部分も2倍です。長い会話や複数のアクションが必要な業務では、1件12 Creditsという前提自体も変わります。

継続して十分に使うなら、容量パックのほうが安い

従量課金のほかに、Copilot Studioには月単位の容量パックがあります。2026年10月版のライセンスガイドでは、1パックが月25,000 Creditsで、年払いの月額200ドル。1 Creditあたりに直すと0.008ドルで、従量課金の0.01ドルより2割安い計算です。未使用分は翌月に繰り越されず、パックを使い切るまで従量課金のメーターには計上されません。

上の試算の48,000 Creditsなら、2パックで50,000 Creditsです。同じ1ドル150円で換算すると月6万円。従量課金の7万2,000円より1万2,000円、約17%下がります。ただし、安くなるのは量が十分にあるときだけです。1パックの範囲では月20,000 Creditsで従量課金と同額になり、月10,000 Creditsなら従量課金の100ドルに対してパックは200ドルかかります。使わなかった月もパックの費用はかかるので、購入するパック数と未使用分を含めた契約期間全体の支払額で比べ、利用量が月ごとに大きく動く業務には従量課金が向きます。最初の数か月は従量課金で実測し、量が安定してからパックに切り替える順番が無理のない形です。

本番の見積もりには、実際の処理を試した消費量を使ってください。Microsoftはエージェントの利用量を見積もるツールも公開しています。

有料利用者は追加消費なしの場合がある

有料のMicrosoft 365 Copilotには、条件を満たすエージェント利用が含まれます。本人が認証され、そのIDで動く従業員向けエージェントを、対象チャネルと機能の範囲で利用することなどが条件です。Standard harnessの料金表の5つの機能は、有料ライセンスの利用者には追加の消費なしと書かれています。GitHub Copilot harnessなど別のハーネスで動くエージェントは課金の仕組みが別なので、ライセンスガイドで個別に確かめます。クラシック回答、生成回答、エージェントアクション、テナントグラフグラウンディング、エージェントフローのアクションの5つです。

前の試算では、有料ライセンスを持つ20人の同じエージェント利用が、この範囲に収まると仮定して従量費へ加算していません。

社内に有料利用者が1人いれば、ほかの社員の利用まで含まれるわけではありません。また、すべての自動実行が対象でもありません。エージェントフローは、有料ライセンスの利用者が認証された状態で「エージェントがフローを呼び出したとき」のトリガーで動く場合だけが対象で、ほかのトリガーで動くフローは標準の消費量で課金されます。コンピューター操作を行うComputer-Using Agentsも、有料ライセンスには含まれません。公平な利用の範囲という条件も付いています。

見積書では、有料利用者の対象内利用、未ライセンス利用者の利用、対象外の自動実行を分けると、重複や見落としを減らせます。

費用をまとめても、社員のIDはまとめない

専用エージェントを全社員で共有するとしても、社内情報を扱うなら、誰が利用しているかを認証します。そして、資料を読む処理、記録へ書き込む処理ごとに、誰の権限で動くのかを設定します。

Copilot Studioには、利用者側の認証を使う方法と、作成者が用意した資格情報を使う方法があります。後者では作成者の権限で動き、利用者本人には許されない情報取得や操作につながる可能性があります。Microsoftの説明では、デフォルトでは両方が有効です。Power Platform管理センターの環境またはその環境グループの設定で、作成者の資格情報を選べないようにする操作があります。

ただし、利用者側の認証だけに固定すると、予定実行や自動実行のエージェントは動かなくなります。利用者の認証済みの接続が要るためで、有効な接続があればそれを再利用し、無ければサインインを求めます。人が関わらない処理には、その接続がありません。社員が質問する社内向けエージェントは利用者側の認証、人が関わらない自動処理は別の環境で扱う、という分け方が要ります。

たとえば、人事資料にアクセスできる接続をそのまま全社員向けエージェントに渡す構成は、費用設計とは別に見直しが必要です。社員ごとのアクセス制御が必要な処理は、利用者の認証と接続先の権限で制御します。

導入前には、一般社員、情報システムの担当者、部署を異動した社員の条件で試します。費用を利用量でまとめても、閲覧と操作の許可まで一律にしないことです。

予算の通知と、利用停止は別に確認する

従量課金を選んだら、使い過ぎた場合にどう対応するかを決めます。止める仕組みは1つではなく、どの構成を使っているかで変わります。

構成 予算と上限の仕組み 超えたときの動き
Copilot ChatやSharePoint agentsの従量課金(Microsoft 365管理センターの課金ポリシー) 課金ポリシーに予算を設定できる 予算は通知のための仕組みで、超えても利用は続く。止めるにはサービスの切断で、反映に最大2時間
Copilot Studioの前払い容量(容量パック) 前払い容量だけの構成では、カスタムエージェントは原則として容量の125%で新規の利用が止まる。エージェントフローは容量を使い切った時点で新規の実行が止まる。Power Platform管理センターでエージェントごとの月次上限と自動停止も設定できる 進行中の会話は中断されない。環境への容量の割り当てや従量課金の併用があると挙動が変わる
Copilot Studioの従量課金 Azureサブスクリプションに課金されるため、上の125%の停止は適用されない エージェントごとの月次上限と自動停止で先に止める。反映には遅れがあり、エージェントが呼ぶフローには上限が効かないので、余裕を持った上限とフロー側の確認が要る
Cowork、Copilot Managed Runtime、Work IQ APIなどの利用量課金(Microsoft 365管理センターのCost Management) spending policyで組織と利用者ごとの月次上限を設定できる。利用者あたり月2,000 Credits以上などの最低条件がある 上限に達した利用者は、その月の残りの期間はエージェントとサービスを使えなくなる

Copilot ChatやSharePoint agentsの従量課金に設定する予算は、通知のためのものです。超過しても利用が続くと公式資料に明記されています。一方、Cost Managementのspending policyには、上限に達すると利用を止める仕組みがある。ただし、こちらの対象は2026年10月時点で限られています。対象はCowork、SharePointとOneDriveの高度な作業、Work IQ API、Copilot Managed Runtime、Teams Phone Agent、Code。Copilot ChatやSharePoint agents、Copilot Studioのエージェントは別の仕組みで管理すると公式ページにあり、すべてのエージェントに一律で適用できるとは扱わない。

利用する構成ごとに、通知を受ける人、増額を決める人、停止操作をする人を決めてください。実際に通知と停止を試し、止めた場合の問い合わせ先も案内しておく。従量課金が正しく動いているかの確認には、Microsoftが公式に案内している試験の方法があります。対象の利用者にLearning Coachなどの標準エージェントへ簡単な質問を送ってもらうと約12 Creditsを消費するので、Copilot Creditsのレポートに出ることを確かめる手順です。

導入判断は、一業務の実測から始める

最初は、対象の仕事を1つ選び、少人数で使います。その間に記録するのは、質問数だけではありません。

  • 人へ問い合わせずに、その業務を完了できた件数
  • 1件を終えるまでに使ったCreditsと、やり直しの回数
  • 内容の更新、例外対応、保守にかかった人の作業時間
  • 使わなくなった手順と、引き続き必要な手順

一業務の実測を回す6つの手順を円環で示した図。業務を1つ選ぶ、少人数で使う、完了件数とCreditsと人の時間を記録する、1件あたりの費用を出す、配り方を決める、次の業務へ広げる、の順に回る

経費規程のエージェントを例にすると、1か月の実測はこう進みます。

  1. 選ぶ。 経理担当が、問い合わせの多い経費規程の確認を対象業務に決める。使える資料は最新の規程と申請手順だけに絞る
  2. 使う。 営業と総務の10人が、1か月の間、経費の質問をエージェントに先に聞く。分からなければ従来どおり経理に聞く
  3. 記録する。 経理担当が、エージェントで完結した件数と経理に来た件数を数える。情報システムの担当者が、Power Platform管理センターでその月のCredits消費を見る
  4. 1件あたりで比べる。 対象期間の利用費かパックの購入費に、規程の更新や回答の修正にかかった人の時間を時間単価で金額にしたものと、構築費を期間で割った分を足し、正しく完結した件数で割る
  5. 配り方を決める。 完結率が高ければ80人へ広げる。規程以外の質問が多ければ、その人たちには有料ライセンスを検討する
  6. 次の業務へ。 同じ記録の取り方で、次は申請手順や社内システムの使い方へ広げる

この結果を見て、専用エージェントで広げる人、有料Copilotを付ける人、対象業務を見直す人を決めます。構築費と運用費も含め、完了した業務1件あたりで費用を比べると、導入後の判断につながります。

見積もりに入っていないものを、先に書き出す

人数と単価の表は、それだけでは見積もりになりません。次の項目は、この記事の試算に入っていないものです。

  • Microsoft 365の基本契約。Copilot Chatも有料Copilotも、対象の基本プランが前提です
  • Azureサブスクリプション。従量課金にはAzureとの課金設定が要り、請求はAzure側に出ます
  • エージェントの構築と運用。規程の整備、回答の確認、更新の担当者の時間
  • 接続するサービスの費用。Power Automateのクラウドフローは、Copilot Creditsではなく別のライセンスで動きます
  • 税と為替。米ドル建ての単価は、円の請求額が契約と為替で変わります

全社員にAIを使ってもらう方法は、1人ひとりに同じ契約を配る方法だけではありません。共通のチャット、専用エージェント、有料ライセンスを仕事に合わせて組み合わせる。その設計から始めれば、費用と利用範囲を一緒に調整できます。

KOIYALの見解

高いと感じる正体は、単価ではなく、全員に同じものを配る前提にあると当社は考えています。3,148円という数字自体は、毎日の資料作成や会議で、確認と修正の負担を含めても費用に見合う効果が出るなら、無理のない支出です。高くなるのは、使うかどうか分からない人の分まで同じ契約を並べたときです。

当社が会社の相談で見てきたのは、全員分の見積もりを見て導入そのものを止めてしまう判断です。全員か、ゼロか。その間に、追加料金なしのCopilot Chatと、使った分だけ払う専用エージェントがあります。Copilot Chatの利用環境を先に全社員へ整え、専用エージェントは少人数で実測してから対象者へ広げ、有料ライセンスは効果を確かめられた人から付ける。順番を変えるだけで、導入の判断は「いくら払うか」から「誰に何を用意するか」に変わります。

もう1つ。従量課金は、使った分だけ払える代わりに、止める設計を自分で持つ必要があります。予算の通知が利用を止めないことは、公式資料に書いてあります。知らずに始めると、月末の請求で気づく形になる。AIの費用を誰が見るかの記事で書いたとおり、道具は揃いつつあります。決まっていないのは、自社で誰が費用を見て、誰が止めるかです。

インハウス経営(AIを活用し、自社で業務を改善し、自社で仕組みをつくる経営)の費用設計は、1回で決めるものではありません。一業務の実測で1件あたりの費用を出し、その数字で次の配り方を決める。この繰り返しを社内で回せる会社は、見積書の人数が増えても、根拠を自分たちで持っています。

次の行動

  1. 社員を3つに分ける。相談相手が欲しい人、決まった質問をする人、資料作成や会議に深く使う人。人数を数える
  2. 専用エージェントにする最初の1業務を決め、その業務の月あたりの問い合わせ件数を、直近3か月の実績から出す
  3. 従量課金の構成で、通知を受ける人、増額を決める人、止める操作をする人の名前を書く

3つが書けたら、それを持って相談に来てください。AIコンサルティングの初回の打ち合わせでは、人数と件数から3つの使い方の配分を仮置きし、一業務の実測で記録する項目まで一緒に決めます。専用エージェントの構築と、実測の仕組みづくりまで社内に残したい会社には、FDE型支援で当社が実装まで担当する形です。お問い合わせの本文に、社員数と、最初に専用エージェントにしたい業務を1つ書いていただければ、初回の前に当社で配分の案を仮置きします。

参考