現場から事務所に戻ってから、書類の時間が始まる。協力会社から届く安全書類は会社ごとに書き方が違い、日報は走り書きのメモから自分で清書し、発注者に出す前に一つずつ直す。建設業の現場監督や施工管理の方から、こういう話を聞きます。

この記事は、その書類時間をAIで減らす型を書きます。読者は、元請けの立場で協力会社の書類を受け取り、整え、発注者に出している現場監督・施工管理・事務の方と、その会社の経営者です。協力会社の立場で元請けに書類を出している方にも、元請けが何を見ているかが分かる内容にしました。

結論を先に書きます。

  1. 協力会社に書き方を揃えてもらうのではなく、元請けが受け取った後に整える仕組みを作ります。 協力会社は複数の元請けと仕事をしていて、元請けごとに様式が違います。書き方を教えても、次の現場では別の元請けの様式に戻ります。整える手間は元請け側に置いたほうが、仕組みとして続きます
  2. AIに渡す仕事は、書き起こし・整形・照合・批評の4つです。 音声メモや写真から文章を起こす、ばらばらの形式を自社の様式に写す、名簿と資格の欄の抜けを照らし合わせる、下書きに足りない現場条件を指摘させる。数値・法令名・現場の手順が正しいかどうかの最終確認は、人がします
  3. 協力会社に配るのは、書き方の説明書ではなく、1枚の手順書と依頼文です。 何をどの形で送ればよいかと、元請け側が受け取ってから何をするかを1枚に書き、依頼文はそのままコピーして使える形にします。作り方は5つの手順に分けて後述します

建設業の書類時間が減らない理由

書類の時間が減らないのは、書類が多いからだけではありません。同じ内容を、違う形で、違う相手に、何度も書いているからです。

背景には人の数の問題があります。産経新聞の2026年9月27日の記事によると、日本建設業連合会の数字で建設業の就業者は2025年に478万人と、1997年の685万人の約7割まで減り、55歳以上が約37%を占める一方で29歳以下は約12%です。2024年4月からは時間外労働の上限規制が建設業にも適用され、残業時間を使って「背中を見せながら教える」時間が取りにくくなった、と同じ記事は伝えています。書類の時間を減らすことは、教える時間を取り戻すことでもあります。同じ記事には、工程を9つに分解して標準化し、入社2年目の社員が現場監督を務めた堺市の建設会社の例も出ています。仕事を分解して型にすると、若い人でも回せる。この記事で書く書類の型も、同じ考え方です。

建設業の現場で扱う書類を、説明のために3つに分けます。

分け方 書類の例 誰が書き、誰が受け取るか
法令で求められる書類 施工体制を記す法定の書類(建設業法第24条の8)、施工体系図、再下請負に関する通知、作業員名簿 元請けが作り、下請けが通知する。発注者に出すことがある
現場の安全のための書類 安全衛生の計画、新規入場者の教育の記録、持込機械の届、KY活動の記録、作業手順書 協力会社が書き、元請けが受け取って保管する
日々の記録と連絡 工事日報、写真の整理表、協力会社への連絡文、発注者への報告 現場監督が書く。相手は社内・協力会社・発注者

名称と様式は、発注者と元請けによって違います。国土交通省の施工体制の書類の作成例のページには、法令上の記載事項が網羅されていれば作成例以外の様式を使ってもよいこと、発注者から法令以外の項目も含めて作成するよう指示される場合があり、その点は発注者と協議すること、建設業者以外で建設工事の完成を請け負っていない資材業者や警備業者などには法令上の記載義務がないこと、建設キャリアアップシステムを使って作成できることが書かれています(確認日2026年10月13日)。つまり、法令上の記載事項を満たしていれば様式は会社ごとに違ってよく、実際に違っています。

施工体制を記す法定の書類は、建設業法第24条の8により、発注者から直接工事を請け負った特定建設業者が、下請契約の総額が一定額以上になる場合に作成します。その金額の基準は建設業法施行令で決まっていて、改正で変わります。この記事には金額を書きません。公共工事では、下請契約を結ぶ場合、金額にかかわらず作成し、原則として写しを発注者に提出する扱いです。自社の工事が対象かどうか、提出の方法は、許可行政庁と発注者の最新の案内で確かめてください。

もう1つ、2024年4月から、建設業にも時間外労働の上限規制が適用されています。厚生労働省のページによると、原則は時間外労働が月45時間、年360時間以内です。臨時的な特別の事情があって労使が合意する場合でも年720時間以内で、月45時間を超えられるのは年6か月までです。休日労働を含む合計は、単月100時間未満、2か月から6か月のどの平均をとっても80時間以内です。災害時の復旧と復興の事業には、この単月と複数月平均の規制が適用されません(確認日2026年10月13日)。現場の作業時間は工程で決まる部分が大きいので、書類の転記・照合・修正に時間がかかっている会社では、現場の後に事務所でやっている書類の時間が改善の候補になります。まず工程別に所要時間を測ってから、着手する箇所を決めます。

書類はどこで時間を食っているか

書類の流れを、協力会社から発注者まで追ってみます。

協力会社が書いた書類が、元請けの受け取り、点検と修正、発注者への提出へ進む流れ。時間がかかるのは元請けの点検と修正の段階

協力会社が書く。 作業員名簿、新規入場者の教育の記録、持込機械の届。協力会社の事務の方か、職長が書きます。元請けごとに様式が違うので、協力会社は手元の自社様式で書いて送ってくることがあります。手書きをスマホで撮った写真で届くこともあります。

元請けが受け取る。 メール、紙、LINEの写真、Excelのファイル。受け取りの形がばらばらなので、まず自社の様式に写すところから始まります。

元請けが点検して直す。 名簿の資格の欄が空いている。保険の加入の欄が前の現場のまま。持込機械の点検日が古い。ここで協力会社に電話して確かめ、直してもらうか、自分で直します。この段階が、現場監督の書類時間の中心です。

発注者に出す。 発注者の指定様式に合わせて揃え、提出します。発注者から法令以外の項目を求められることがあるので、ここでもう一度、形を変えます。

この例で時間を食っているのは、書く段階ではなく、受け取ってから出すまでの間の、写す・照らし合わせる・直すの3つです。自社でどこに時間がかかっているかは、この4段階に分けて測ってみてください。協力会社に書き方を揃えてもらう方向で解決しようとすると、この3つの多くは協力会社側に移ります。この記事では、協力会社ごとの様式を受け取り、元請け側で整える方法を書きます。共通様式への統一ができる相手なら、双方の作業時間を比べて選んでください。

AIに渡す仕事の4つの型

元請け側で整える仕組みの中で、AIに渡せる仕事を4つに分けます。使う道具は、Microsoft 365のCopilotでも、Google WorkspaceのGeminiでも、ChatGPTでも成り立つ範囲で書きます。どの道具でも、会社として契約していて、入力した内容が学習に使われない設定になっていることが前提です。道具ごとの設定は、この記事では扱いません。

型1。書き起こし。音声メモや写真から文章を起こす

現場で録った音声メモや、手書きの日報をスマホで撮った写真から、日報の文章を起こします。当社の研修の建設業コースでは、最初の演習に置いている型です。教わる前にできてしまう、という体験から入ります。

依頼文の例を書きます。そのまま使える形にしてあります。

次の音声メモの書き起こしを、工事日報の形にしてください。
項目は、日付、天候、作業内容、人員、使用した機械、安全に関する事項、明日の予定、特記事項の8つです。
書き起こしに無い項目は空欄のままにして、推測で埋めないでください。
数値はメモにあるものをそのまま使い、単位が無いものは単位の確認が必要と書いてください。

大事なのは、無い項目を空欄のままにさせること、数値を推測させないことの2つです。頼んでも推測で埋まることがあるので、出力は元のメモと見比べます。

型2。整形。ばらばらの形式を自社の様式に写す

協力会社から届いた作業員名簿が、相手の自社様式で来たとします。自社の様式の項目名を渡して、対応する項目を写してもらいます。

添付の名簿の内容を、次の項目の順に並べ直してください。
氏名、生年月日、職種、経験年数、雇入れ年月日、健康保険、年金保険、雇用保険、資格・免許、受けた教育。
元の名簿に無い項目は「元の名簿に記載なし」と書いてください。
元の名簿にあって、この項目に当てはまらない内容は、最後に「分類できなかった内容」としてまとめてください。

ここでも、無い項目を埋めさせないこと、分類できなかった内容を捨てさせないことが要点です。整形は、写す作業をAIに渡しているだけなので、元の名簿の誤りは直りません。写すときに誤りが加わることもあります。整形した後の内容は、元の名簿と照合します。

型3。照合。名簿と資格、日報と写真を照らし合わせる

照合は、2つの資料を並べて、食い違いと抜けを見つける仕事です。作業員名簿と、資格証の写しの一覧。日報の作業内容と、その日の写真の整理表。持込機械の届と、点検の記録。

資料Aは作業員名簿、資料Bはその現場の資格証の一覧です。
名簿に資格が書いてあるのに資料Bに資格証が無い人、資料Bにあるのに名簿に書いていない人を、それぞれ一覧にしてください。
一覧には、氏名と、どちらの資料の何行目かを書いてください。
判断はしないでください。食い違いの一覧だけを出してください。

照合は、AIを食い違いの候補を出す補助として使う型です。見落としや、別の人と取り違える誤りもあり得るので、出てきた一覧の氏名・資格名・有効期限は元の資料と照合します。食い違いをどう扱うかの判断も人がします。資格証が無いのは、提出し忘れなのか、資格が無いのか。それは協力会社に電話して確かめることで、AIには分かりません。

型4。批評。下書きに足りない現場条件を指摘させる

安全衛生の計画や作業手順書の下書きを作ったら、AIに批評させます。当社の研修で、レベル2と呼んでいる演習です。

次の作業手順書の下書きを読んで、現場の条件として確認が必要な点を挙げてください。件数は決めません。
高さ、重さ、天候、隣接する作業、使う機械、資格が要る作業、合図の方法の7つの観点で見てください。
各点に、下書きのどの記述を根拠にしたかを添えてください。
手順書を書き直さないでください。確認が必要な点の一覧だけを出してください。

批評は、AIに答えを出させるのではなく、質問を出させる使い方です。出てきた点のうち、その現場に当てはまるものを人が選び、現場の条件を足します。当てはまらないものは捨てます。AIは現場を見ていないので、外れた指摘が混ざります。外れた指摘を捨てる判断は、現場を知っている人にしかできません。AIの指摘は現場の確認項目の代わりにはならないので、自社の安全衛生の確認項目に沿った点検は別に行います。

どの書類から手をつけるか

4つの型を全部の書類に当てると、仕組みを作る側が先に疲れます。どの書類から手をつけるかを、2つの軸で決めます。

どの書類からAIに渡すかを決める2軸の図。横軸は様式が決まっている度合い、縦軸は月の件数の多さ

横軸は、様式がどのくらい決まっているか。法令で記載事項が決まっている書類や、発注者の指定様式がある書類は右。現場ごと、相手ごとに形が変わる連絡文は左。縦軸は、月に何件あるか。

  • 件数が多く、様式が決まっている書類から始めます。作業員名簿、新規入場者の教育の記録、工事日報。型1の書き起こしと型2の整形が効きます。まず1か月試して、作成・確認・修正を含めた総時間を、始める前と比べます
  • 件数が多いが、様式が決まっていない書類は、先に様式を決めます。協力会社への連絡文は、件名と本文の型を3つ決めてからAIに渡します。様式が無いままAIに渡すと、毎回違う形で出てきて、整える手間が増えます
  • 件数は少ないが、様式が決まっている書類は、型3の照合と型4の批評に向いています。施工体制を記す法定の書類、安全衛生の計画。件数だけで見ると後回しになりますが、間違えたときの影響が大きいので、照合の価値があります。置く位置は、件数に加えて、1件の所要時間と間違えたときの影響で決めてください
  • 件数が少なく、様式も決まっていない書類は、今は手をつけません。一覧に残しておき、上の3つが回ってから見直します

当社の研修では、受講する会社に事前の計測シートを渡して、一番時間を取られている記録と書類を聞いてから、最初の演習の題材を決めます。この図の右上に来る書類が、たいていの場合は最初の題材になる、とは書きません。会社によって違うからです。自社で同じ図を書いてみてください。

協力会社に配る1枚の手順書の作り方

元請け側で整える仕組みができたら、協力会社に何をどの形で送ってほしいかを、1枚の手順書にして配ります。書き方の説明書ではありません。送り方の手順書です。

協力会社に配る手順書を作る5つの手順。対象の書類を1つ決める、受け取りの形を決める、依頼文を1枚にする、元請け側の点検項目を書く、1社と試して直す

手順1。対象の書類を1つ決める。 最初は1種類だけです。上の図の右上から選びます。例として、作業員名簿にします。

手順2。受け取りの形を決める。 協力会社に、どの形で送ってもらうかを決めます。自社様式のExcelでも、相手の様式のPDFでも、手書きをスマホで撮った写真でも受け取る、と決めます。協力会社の負担を増やさないために、形は増やす方向で決めます。ただし、受け付けるのは、元請け側で試して型2の整形で読み取れると確かめた形だけにします。判読できない写真は再提出を頼むことになるので、受け付ける形は、元請け側の確認の負担を見ながら増やします。

手順3。依頼文を1枚にする。 協力会社に配る手順書に書くのは、次の4つです。

  • 何の書類を、いつまでに、どこに送るか
  • 送る形は、Excel、PDF、写真のどれでもよいこと
  • 送った後に元請けが何をするか。自社様式に写し、資格証と照らし合わせ、食い違いがあれば電話で確かめること
  • 元請けから電話がかかるのは、書類の不備ではなく、照合で食い違いが出たときであること

4つ目は、協力会社との関係のために書きます。元請けから電話がかかると、協力会社は書類を間違えたと受け取ります。照合の仕組みで食い違いを見つけているだけで、間違いを責めているのではない、と先に書いておきます。

手順4。元請け側の点検項目を書く。 手順書の裏面か、元請け側の内部の資料として、受け取った後の点検項目を書きます。型2で写した後に見る項目、型3で照らし合わせる相手の資料、食い違いが出たときに誰が協力会社に確かめるか。この点検項目が、AIの出力を人が見るときの物差しになります。

手順5。1社と試して直す。 配る前に、付き合いの長い協力会社1社と試します。送り方で迷った点、元請け側で写すときに困った点を聞いて、手順書を直します。試した後に、他の協力会社に配ります。最初から全社に配ると、直すときに全社に配り直すことになります。

手順書は、1枚で足りるようにします。2枚になったら、対象の書類を増やしすぎています。書類ごとに1枚ずつ作るほうが、協力会社は読みます。

AIに渡す仕事と、人が見る仕事の線

4つの型を使う上で、線を引いておくところがあります。

AIに渡す仕事と人が見る仕事を左右に並べた対比図。AIには書き起こし・整形・照合・批評の4つ、人には数値・法令名・現場の手順の確認と、協力会社への確認と、提出の判断

AIに渡す仕事。 音声メモや写真から文章を起こす。ばらばらの形式を自社様式に写す。2つの資料を照らし合わせて食い違いの候補を出す。下書きを読んで確認が必要な点を挙げる。この4つは、量が多くても手順が変わらない仕事で、AIに渡しやすい仕事です。

人が見る仕事。 数値が元の資料と一致しているか。法令名と条文が正しいか。現場の手順がその現場の条件に合っているか。食い違いの原因を協力会社に確かめる。発注者に出すかどうかを決める。数値や条文の照合にAIを補助として使うことはできますが、元の資料との一致、現場への適合、提出の可否は担当者が確認します。AIは現場を見ていないし、協力会社に電話できないし、提出の責任を負いません。

当社の研修の建設業コースでは、2日目の最後に、通しの演習を置いています。現場条件のメモから施工計画の骨子を作り、安全書類の下書きを作り、その下書きにわざと仕込んだ誤りを見つける演習です。誤りは3種類です。手順の順番が違う、数値が違う、法令名が違う。受講者は、AIが出した下書きのどこを疑えばよいかを、この演習で身につけます。AIの出力を人が最終確認する、という決まりを、言葉ではなく手で覚えてもらうための演習です。

線を引く上で、もう1つ書いておきます。文章の見た目だけでは、内容の正確さは判断できません。 整った文章で、項目が揃っていて、数値が入っていても、数値が元の資料と違っていることはあります。型1から型4のどれでも、出力を見るときは、見た目ではなく、点検項目の表を手元に置いて、項目ごとに元の資料と照合します。手順4で書いた点検項目は、そのためのものです。

注意点

現場写真・積算・地権者の情報を、そのまま入れないでください。 現場写真には、人の顔、車のナンバー、近隣の家が写ります。積算の内訳は、協力会社の単価が入っています。地権者の情報は、個人情報です。会社として契約した道具で、入力が学習に使われない設定になっていても、入れてよい情報と入れない情報の線は、会社が決めます。当社の研修では、建設業の機微な情報を含む10問のクイズで、この線を受講者に考えてもらいます。答えの雛形は配りません。会社によって線が違うからです。

発注者に出す書類は、法令上の必要事項を満たしたうえで、発注者と確認します。 この記事の型2で自社様式に写すのは、元請け側の整理のためです。発注者に出すときは、指定様式があればその様式に合わせ、追加の項目は発注者と確認します。発注者から法令以外の項目を求められる場合があり、その点は発注者と協議するよう、国土交通省のページにも書かれています。

建設キャリアアップシステムで作れる書類は、そちらを先に見てください。 国土交通省のページには、施工体制の書類が建設キャリアアップシステムを用いて作成できると書かれています。協力会社と技能者が登録している現場では、AIで整形するより、システムから出力するほうが早い書類があります。AIに渡す前に、すでに仕組みがある書類かどうかを確かめます。

一人親方と日雇の方の書類は、別に扱います。 作業員名簿の書き方は、雇用の形で変わります。自治体が配っている記入例では、一人親方や日雇労働者の記入例が別に示されていることがあります。型2の整形で一律に写すと、この違いが消えます。雇用の形が違う方の分は、人が見る項目に入れておきます。

協力会社の負担を増やさないでください。 この記事の仕組みは、元請け側で整えるための仕組みです。協力会社に新しい道具を入れてもらう、新しい様式で書いてもらう、という方向に向かい始めたら、手順2に戻ってください。受け取りの形は、増やす方向で決めます。

法令と金額の基準は、この記事を根拠にしないでください。 施工体制の書類の作成が必要になる下請契約の総額の基準は、施行令の改正で変わります。上限規制の数字も、この記事の確認日時点のものです。自社の工事に当てはめるときは、許可行政庁と厚生労働省の最新の案内で確かめてください。

KOIYALの見解

建設業の書類の話を聞くと、協力会社に書き方を揃えてもらえば解決する、という方向に向かいがちです。当社はそう考えていません。協力会社は複数の元請けと仕事をしていて、元請けごとに様式が違います。1社の元請けが書き方を教えても、次の現場では別の様式に戻ります。整える手間は、元請け側に置いたほうが、仕組みとして続きます。

もう1つ。AIに渡す仕事を4つの型に分けたのは、AIで全部やる、という話にしないためです。書き起こし・整形・照合・批評は、AIに渡しやすい仕事です。数値・法令名・現場の手順の確認と、協力会社への確認と、提出の判断は、人の仕事です。この線を引かずにAIを入れると、見た目の整った書類が増えても、中身を誰が確かめるかが決まらないままになります。建設業の書類は、見た目ではなく、中身が人の安全に関わります。

当社の研修の建設業コースは、この4つの型と、人が見る5つの仕事を、建設業の汎用のサンプル資料で練習する2日間です。最初の演習の題材は、事前の計測シートで聞いた、一番時間を取られている記録と書類の種類に合わせて選びます。研修の成果物は、受講者が自分の現場で使う依頼文と、点検の観点の表です。協力会社に配る1枚の手順書は、研修で持ち帰った依頼文と点検の観点をもとに、研修の後に自社で作ります。

次の行動

  1. 自社の書類を、法令で求められる書類、現場の安全のための書類、日々の記録と連絡の3つに分けて、月の件数を書く
  2. 様式が決まっている度合いと件数の2軸に置いて、右上の書類を1つ選ぶ
  3. その書類で、この記事の型1か型2の依頼文を、自社の項目名に直して1回試す

3つ目まで進んだら、出力を見て、空欄のままになった項目と、推測で埋まってしまった項目を数えてください。推測で埋まった項目は、元の資料に戻って直します。依頼文と渡し方を見直してもう一度試し、それでも誤りが続く項目は人が転記する側に戻します。そこまでできたら、研修の建設業コースで、4つの型と点検の観点の表を、建設業のサンプル資料で練習します。研修の前に、2軸の図と依頼文を持ってきてください。お問い合わせの本文に、選んだ書類の名前と月の件数を書いていただければ、初回の打ち合わせでその書類から始めます。

参考